【書評】非常識な成功法則
今回は、神田昌典著「非常識な成功法則」の書評です。
神田氏は上智大学在学中に外務省に勤務し、その後ニューヨーク大学でMBAを取得。
戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍。人なし、予算なし、商品なしの状況から2年で年商8億円の規模に育てられ、
その後、1998年、経営コンサルタントとして独立されました。
こちらの本は、
・今の生活に満足しておらず、でも現状何をしてよいのかわからない
・成功する人の考え方とはどのようなものか見てみたい
という方に向いています。
要約
まずは短期間で金銭的に安定軌道に乗り、そのあと必死になって心の面でも豊かになれるように努力する。
自分がやりたくないこと、やりたいことをはっきりさせたうえで、
目標を紙に書きそれを毎日眺めることで目標は実現させることができる。
内容を理解する上でのポイント
・お金も心も同時に手に入れられないのか?
結局、成功者が述べる成功法則のなかには、成功した人がさらに成長するための法則が多いんだ。凡人は、それを真に受けちゃダメ。優先順位が違うんだから、かえって逆効果。
これをわかってないと、ジレンマに陥る。
「お金がすべてではない」⇔「でも、お金を儲けなければならない」
「謙虚でなければならない」⇔「でも、傲慢でなければ、高値で売れない」
「人との出会いを大切に」⇔「でも、下請け仕事をやらされるばかり」
確かに、世の中の成功とは、お金がすべてではないし、
そればかりに固執していても幸せになれないということは感覚的にわかります。
でも、私をはじめ、ほとんどの人はお金を得るために働いているはず。
だったら、まだ十分な報酬が得られていないのに、
そこを後回しにして社会貢献とか、サービス残業とかしている場合じゃないですよね。
時間だって限られているのに。
だから、まずは自分の中にある、見栄、メンツ、嫉妬、名声欲、物欲など
悪の感情を利用し、短期間で金銭的に安定軌道に乗ることが大事。
安定軌道に乗った後は、心まで悪に染まりきってしまわないうちに
心が豊かになるように努力しましょう。
・やりたくないこと、やりたいことをはっきりさせるってどういうこと?
例えば、「毎日きれいな部屋で過ごしたいけど、掃除は嫌いだし、皿洗いもめんどくさい。」と思ったとします。
「きれいな部屋で過ごす」というやりたいことの中に、「掃除、皿洗い」というやりたくないことが内包されています。実際には、このような場合が多く、気持ちが揺れている間に目標を達成できないまま、時間が過ぎていってしまっていた、なんてことが多いです。
そこで、まずやりたくないことを明確化しましょう。やりたくないことをやらないと決めた分、自分が選んだ道では情熱をもって取り組めるようになります。
「掃除、皿洗いが嫌いだから、お掃除ロボット、食洗器、家事代行サービスを利用しよう。そのかわり、自分が好きなイラスト制作によってその分の費用稼ごう。」
といった感じですね。
・紙に書くだけで本当に目標が実現するの?
なぜ紙に書けば実現してしまうのか?
本当に不思議だった。
私は調べた。すると、その理由は、脳のメカニズムにあるということがわかった。
脳のメカニズムを知ると、あなたの能力を開放できるようになる。
簡単に言うと、脳は、あなたが質問すると、高度なアンテナを張って、必要な情報を収集しはじめる。過去の経験、現在、目の前で起こっている状況すべてから、答えを検索しだす。質問したとたんに、標的を追い求める赤外線誘導装置つきミサイルのように、答えを追い続けるわけだ。
人の記憶の経路は繰り返されることによって強くなります。
繰り返される言葉、自分で発する言葉、他人が同調する言葉で現実が構築されていくのです。
自分の年収は仲がいい5人の平均値となる、という法則を一度は耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。
周りの環境や、どんな人を周りに置くかで自分の現実が変わってしまうのです。
自分を取り巻く人間関係を変えることは容易ではありません。
まず、自分で現実をコントロールするために、潜在意識をプログラミングしましょう。
自分に都合のいい言葉を繰り返し、自分自身に催眠術をかけるのです。
まとめ
私もこの本を読んだ後、実際に目標を期限付きで紙に書いてみました。
毎日眺める、ということまでは現在達成できていません。(笑)
でも今まで漠然と「こうなるといいな」と思っていた未来が、文字に起こすことで
自分の中で現実味を帯びたように感じています。
一度、気分が乗らなくなってその目標を忘れてしまっても、
また紙を見返すことでもう一度思い返すことができるようになりました。